出来損ないの黒宮さん




「…………えーと、俺もう自己紹介してもいい?」

源が少し遠慮がちに口を開いた。

「ちょ、空気読めよー。今2人の良いところだろ?」

「いや、もう20時過ぎてるし、明日から学校だし、日向と舞はきっと荷ほどき全部終わってないんだろ?明日のこと考えると早い方が良いだろ。」

「うっ、見た目不良のくせにド正論かましやがって…。」

「見た目関係ないだろ。」

確かにのんびりしている時間はそんなに無い。

「ど、どうぞ。始めてくれ。」

「おう。俺は白矢源、ってのは言ったよな。好きなのは…んー甘いもん…は好きだな。あと、猫と妖精も好きだ。」

「…信乃ちゃん、これが見た目は不良なのに好きなものが可愛い、というギャップ萌えテクニックよ。」

「な、なるほど。」

「ちげーよ。……はい、俺もう終わったから次は信乃の番。」

源は拗ねたような顔で私を見た。

この4人の中では1番大人っぽいのに、一瞬見せたその表情は少し幼くて可愛い。

あ、これがギャップか。