私に平和な日常が戻った
明凛「おはよ〜!」
舞「今日も元気ね」
明凛「それが取り柄なので」
舞「あ、お弁当忘れた」
明凛「購買行く?食堂いく?」
舞「どっちでもいいや〜」
なんて会話をしていたら
悠真「舞、科学の教科書持ってない?」
舞「悠真!あるよ〜」
悠真「ありがと」
女子たち「いいなぁ…舞ちゃん…」
明凛「今日も熱々ねぇ♪」
舞「そんなんじゃないから。幼馴染なだけ」
明凛「ほんとかねぇ?」
舞「ほんとです!」
明凛「でも気をつけた方がいいよ。二人の関係をよく思わない人もいるからさ」
舞「だよね…」
明凛「何かあったら私も助けるし!大丈夫!」
舞「ありがと、明凛」
海咲「今日部活あるから来てね〜!」
舞「はーい!」
私は着付け部に入っていた
年に何度かの着付けコンテストやらに参加しているらしい
普段は着付けの練習や茶道、花道をやっている
ー放課後ー
舞「失礼します」
後輩「あ!佐倉先輩こんにちは!」
舞「こんにちは〜」
海咲「始めます。気をつけ、礼」
海咲「はい、それぞれ着替えてね〜」
舞「海咲は何の着物着る?」
海咲「あ、今日はあの青のやつ!」
舞「了解!」
舞(どれにしようかな…よし、これだ!)
ー数分後ー
舞「海咲、どう?」
海咲「うん!綺麗に着付けられてる!」
舞「ふぅ、ありがとう!」
後輩「先輩〜、絡まりました…」
海咲「はいはい、今行くよ〜」
舞「あ、私飲み物買ってくる!」
海咲「着物気をつけなよ?」
舞「うん!」
そして私は購買へ向かった
しばらく歩いていると帯がほどけてしまった
舞「うそ…なんで帯が……?!」
帯は一人では直せない
舞「どうしよ…」
悠真「後ろ向いて」
舞「え……っ?」
気がつくと悠真が後ろに立って帯を直してくれていた
舞「悠真、着付けできるの?」
悠真「婆ちゃんの影響。俺の婆ちゃん着付け教室やってたから」
舞「そうだったね、私も着付けてもらった気がする…」
悠真「はい、できた」
舞「ありがとう!」
悠真「…ん」
舞「悠真、着付け部入ったら?私もいるし」
悠真「は…?」
舞「入らないよね…ごめんごめん」
悠真「案内、して」
舞「えぇっ?こ、こっち!」
悠真「急ぐと転ぶ」
と、言ったそばで私は転んだ
舞「……ったぁ」
悠真「ぷ……馬鹿」
すると手を差し伸べてくれた
舞「ありがとう…」
悠真「おんぶしてあげようか?」
舞「結構です…!」
?「悠真くんは、うちのものなのに…」
着付け部まで案内すると、部員みんなが固まった
海咲「え、えーっと…?」
舞「悠真に案内しろって言われたから連れてきた!」
後輩「この先輩って学校一イケメンの?!」
悠真「は?」
海咲「伊野田くん、着付け部入るの?」
悠真「見学」
海咲「そ、そうですか…」
後輩「伊野田先輩!こんにちは!!」
後輩たちが悠真にグイグイ攻めていく
舞「あはは…」
悠真「悪い」
悠真がぐいっと腕を引っ張った
舞「ど、どうしたの…っ?」
部員「……………」
舞「…え?」
悠真「崎野、舞を借りてくな」
海咲「どーぞー」
舞「えぇっ?!」
引っ張られるままついて行くと
中庭にたどり着いた
悠真「やっぱりここが一番だな」
舞「私、部活戻らなきゃ!」
悠真「だめ。俺のそばにいて」
舞「いやいや!ほかの子誘いなよ!」
悠真「俺はアンタがいいんだけど」
舞「な……っ」
ずるい、ずるすぎる
一方的に言われても反応に困る
恋愛ではない。それだけは本能で分かる
悠真「返事は?」
舞「…10分だけね」
悠真「アンタは興味ないの?俺に」
舞「全然ない。小さいころと変わってないから今さら興味湧くこともないし」
悠真「この学校で俺見つけたときとか俺と話したときは世界の終わりみたいな顔してたくせに」
舞「そりゃそうでしょう!」
悠真「悪いな」
舞「あ…」
悠真「なに?」
舞「虹……さっきまで雨降ってたから」
悠真「たしかに。虹なんて久しぶり」
舞「悠真が転校した日も虹が出てたよ」
悠真「それ、覚えてる。虹見ながらアンタた大泣きしてたよな」
舞「そう、だね…」
悠真「アンタ、そのときこう言ったんだぞ ”虹が私と悠真を結んでくれるから” って」
一瞬、呼吸が止まった
そんなこと言っただろうか
そんな、まるで私が悠真のことが好きみたいな言葉
悠真「まるで告白だよな。アンタ、俺のこと好きなの?」
舞「ううん。今は全然そういうのはないけど
昔はあったのかもね…」
悠真「そうか…昔…」
”昔” この単語が私たちの暗号みたいな
この学校で私たちの昔を知ってる人はいないから
舞「あ、私もう行くね!じゃあ…」
じゃあね、そう言おうとした瞬間
私は悠真に何されたか、分からなかったー…
明凛「おはよ〜!」
舞「今日も元気ね」
明凛「それが取り柄なので」
舞「あ、お弁当忘れた」
明凛「購買行く?食堂いく?」
舞「どっちでもいいや〜」
なんて会話をしていたら
悠真「舞、科学の教科書持ってない?」
舞「悠真!あるよ〜」
悠真「ありがと」
女子たち「いいなぁ…舞ちゃん…」
明凛「今日も熱々ねぇ♪」
舞「そんなんじゃないから。幼馴染なだけ」
明凛「ほんとかねぇ?」
舞「ほんとです!」
明凛「でも気をつけた方がいいよ。二人の関係をよく思わない人もいるからさ」
舞「だよね…」
明凛「何かあったら私も助けるし!大丈夫!」
舞「ありがと、明凛」
海咲「今日部活あるから来てね〜!」
舞「はーい!」
私は着付け部に入っていた
年に何度かの着付けコンテストやらに参加しているらしい
普段は着付けの練習や茶道、花道をやっている
ー放課後ー
舞「失礼します」
後輩「あ!佐倉先輩こんにちは!」
舞「こんにちは〜」
海咲「始めます。気をつけ、礼」
海咲「はい、それぞれ着替えてね〜」
舞「海咲は何の着物着る?」
海咲「あ、今日はあの青のやつ!」
舞「了解!」
舞(どれにしようかな…よし、これだ!)
ー数分後ー
舞「海咲、どう?」
海咲「うん!綺麗に着付けられてる!」
舞「ふぅ、ありがとう!」
後輩「先輩〜、絡まりました…」
海咲「はいはい、今行くよ〜」
舞「あ、私飲み物買ってくる!」
海咲「着物気をつけなよ?」
舞「うん!」
そして私は購買へ向かった
しばらく歩いていると帯がほどけてしまった
舞「うそ…なんで帯が……?!」
帯は一人では直せない
舞「どうしよ…」
悠真「後ろ向いて」
舞「え……っ?」
気がつくと悠真が後ろに立って帯を直してくれていた
舞「悠真、着付けできるの?」
悠真「婆ちゃんの影響。俺の婆ちゃん着付け教室やってたから」
舞「そうだったね、私も着付けてもらった気がする…」
悠真「はい、できた」
舞「ありがとう!」
悠真「…ん」
舞「悠真、着付け部入ったら?私もいるし」
悠真「は…?」
舞「入らないよね…ごめんごめん」
悠真「案内、して」
舞「えぇっ?こ、こっち!」
悠真「急ぐと転ぶ」
と、言ったそばで私は転んだ
舞「……ったぁ」
悠真「ぷ……馬鹿」
すると手を差し伸べてくれた
舞「ありがとう…」
悠真「おんぶしてあげようか?」
舞「結構です…!」
?「悠真くんは、うちのものなのに…」
着付け部まで案内すると、部員みんなが固まった
海咲「え、えーっと…?」
舞「悠真に案内しろって言われたから連れてきた!」
後輩「この先輩って学校一イケメンの?!」
悠真「は?」
海咲「伊野田くん、着付け部入るの?」
悠真「見学」
海咲「そ、そうですか…」
後輩「伊野田先輩!こんにちは!!」
後輩たちが悠真にグイグイ攻めていく
舞「あはは…」
悠真「悪い」
悠真がぐいっと腕を引っ張った
舞「ど、どうしたの…っ?」
部員「……………」
舞「…え?」
悠真「崎野、舞を借りてくな」
海咲「どーぞー」
舞「えぇっ?!」
引っ張られるままついて行くと
中庭にたどり着いた
悠真「やっぱりここが一番だな」
舞「私、部活戻らなきゃ!」
悠真「だめ。俺のそばにいて」
舞「いやいや!ほかの子誘いなよ!」
悠真「俺はアンタがいいんだけど」
舞「な……っ」
ずるい、ずるすぎる
一方的に言われても反応に困る
恋愛ではない。それだけは本能で分かる
悠真「返事は?」
舞「…10分だけね」
悠真「アンタは興味ないの?俺に」
舞「全然ない。小さいころと変わってないから今さら興味湧くこともないし」
悠真「この学校で俺見つけたときとか俺と話したときは世界の終わりみたいな顔してたくせに」
舞「そりゃそうでしょう!」
悠真「悪いな」
舞「あ…」
悠真「なに?」
舞「虹……さっきまで雨降ってたから」
悠真「たしかに。虹なんて久しぶり」
舞「悠真が転校した日も虹が出てたよ」
悠真「それ、覚えてる。虹見ながらアンタた大泣きしてたよな」
舞「そう、だね…」
悠真「アンタ、そのときこう言ったんだぞ ”虹が私と悠真を結んでくれるから” って」
一瞬、呼吸が止まった
そんなこと言っただろうか
そんな、まるで私が悠真のことが好きみたいな言葉
悠真「まるで告白だよな。アンタ、俺のこと好きなの?」
舞「ううん。今は全然そういうのはないけど
昔はあったのかもね…」
悠真「そうか…昔…」
”昔” この単語が私たちの暗号みたいな
この学校で私たちの昔を知ってる人はいないから
舞「あ、私もう行くね!じゃあ…」
じゃあね、そう言おうとした瞬間
私は悠真に何されたか、分からなかったー…
