「飯島ってさ、無愛想だよね」
友達の真理は7月の暑さに目を細めながら言った。
あと数日で夏休みに入るが、宿題が多すぎて気が乗らない。
高校生になって初めての夏休み、遊びまくるという夢は儚く散ったのである。
「誰だっけ、イイジマって」
「ほら、アンタの右斜め前の…」
私は人の名前を覚えられない。
障害とかそういうのじゃなくて、単に興味が無い。
きっとクラスの大多数の人が私を冷たい奴だと思ってるだろう。
いや、間違えじゃないんだけどね。
「あー、アイツね。黒髪で前髪凄い長い奴でしょ?」
「そう、前髪凄い長い奴」
そういうと、真理は机をバンっと叩いた。
「…なに?」
「飯島の顔見たことある?」
ゆっくり口角を上げて、目を輝かせている。
真理がこの顔をする時は大体決まっているから分かりやすい。
「めっちゃイケメンだった」
まぁそんな事だと思ったよ、と思いながら、私は口を開いた。
「だから、私興味無いんだってば。顔とか名前とか」
「もう。セリったら冷たいんだから」
結衣がフンと顔を背けた時、2時間目のチャイムが鳴った。
友達の真理は7月の暑さに目を細めながら言った。
あと数日で夏休みに入るが、宿題が多すぎて気が乗らない。
高校生になって初めての夏休み、遊びまくるという夢は儚く散ったのである。
「誰だっけ、イイジマって」
「ほら、アンタの右斜め前の…」
私は人の名前を覚えられない。
障害とかそういうのじゃなくて、単に興味が無い。
きっとクラスの大多数の人が私を冷たい奴だと思ってるだろう。
いや、間違えじゃないんだけどね。
「あー、アイツね。黒髪で前髪凄い長い奴でしょ?」
「そう、前髪凄い長い奴」
そういうと、真理は机をバンっと叩いた。
「…なに?」
「飯島の顔見たことある?」
ゆっくり口角を上げて、目を輝かせている。
真理がこの顔をする時は大体決まっているから分かりやすい。
「めっちゃイケメンだった」
まぁそんな事だと思ったよ、と思いながら、私は口を開いた。
「だから、私興味無いんだってば。顔とか名前とか」
「もう。セリったら冷たいんだから」
結衣がフンと顔を背けた時、2時間目のチャイムが鳴った。