「!!?」



「いってらっしゃい、ご主人様」



秋埼はあたしの頬に甘いキスを落としてニヤリと笑った。



「ば、馬鹿っ!!!!」



あたしは、秋埼に向かってそう言って玄関を出た。



「なによ、アイツ……」




あんなキャラじゃないくせに……。
クールな男のくせに……。


「なんであんな事するのよぉ………。」



あたしは、早足で学校に向かいながら、さっき秋埼からキスされた頬を手で強く擦る。



「おはよう♪眉♪」



「…なんでよ」



「繭?」



「馬鹿じゃない……?」



「繭!!!!!」



「はいぃぃ!?すいませんすいません!!!!あたしが悪かったです!!!なんでもします!!!だから、許して……って。なぁ〜んだ、千里かぁ」



「あんた、どうかした?」



ドッキ〜ン!!!!



「どどどど!!?どうして!?」



「いつもあたしが眉〜!!!!って言ったら、漢字が違うわぁ!!!って突っ込んでくるのに……」



「あぁ〜……ゴメンゴメン。ちょっと考え事してて」


は!!!!




「考え事?」


ヤバイ、千里の眉がピクッと動いた。