【短編】大好きだから。



でも、こんな時間まで誰を待っているんだろう。


あと数分で総下校時刻となる今は下駄箱を通る人もほとんどいない。


早く帰ってくれないと私が帰れなくなるから早く待っている相手が来るといいんだけど。



「総下校まであと5分」



少し低めでハスキーな声で彼がそい呟いた。


一瞬、私に向けられた言葉だと思いびっくりした。


ちらっと柱の陰から盗み見してみるけど柴山はスマホをいじったまま。


ま、私を待っているわけないんだし。


自分で言ってて悲しくなるけど、事実だからしょうがない。