それでもキミが好きなんだ




ああ、なんて懐かしいんだろう。

体がうずうずしてきた。

その瞬間、私は走り出してバスケコートの真ん中で何度もボールをつく茶色い髪色をした男の子───サキの元へ向かって後ろからシュッとボールを奪い取って彼の視界に入る位置に移動した。


驚いた顔をしていたサキの表情が私を見るなり一気に人懐っこい笑顔へと変わった。


「やっと来た。お前にしては早いんじゃね?」


その言葉の意味はきっと三年前の私はよくサキとの約束の時間に遅刻していたからだと思う。


本当はもっと早く行きたかったけど色々と準備していたら遅刻してしまっていたことが多かった。

そのことも含めて意地悪っぽく笑ったサキにまた胸が熱くなった。

分かってるんだよ。サキと私はもう昔のようには戻れないってことくらい。

琴音を傷つけてしまうかもしれないことだって全部、全部分かってはいるんだけど、サキを目の前にしてしまうとどうしても歯止めが効かなくなる。

でも、きっとこれが私の本当の気持ちなんだろう。だって私は綺麗な人間じゃないから優しくないし嫉妬だってたくさんする。