それでもキミが好きなんだ



正直、バスケはもうしたくない。


理由は簡単、向こうでバスケをしていた頃の気持ちを思い出すから。


「なんなら、10分休みに久しぶりに1or1でもする?」


「ほんとに言ってる?」


「おう」


「まあ、サキがどうしてもやりたいって言うならー」


「ほんっとひねくれてんな。やろーぜ」


笑いかけてきたサキに私も頷いてニコッと微笑み返した。


それなら、早く体操服に着替えなきゃね。


……サキとまたバスケができるなんて夢でも見ているのかな。





「俺、先行ってるわ」


「はいよ」


一時間目が終わり、体育館に男子は着替えに向かうらしく女子が教室に残り、着替えるためサキは先に体育館に向かった。


「……早く行かなきゃ」


ぽつり、と呟いた言葉は女子たちの「髪の毛くくらなきゃ」とか「今日二日目なのにー」とかいう会話に消された。


そんな子たちを置いて、私は青い色の体操服に着替えて黒いゴムで胸元まで伸びた色素の薄い髪の毛を一つに束ねてロッカーから体育館シューズを取るとダッシュで体育館へと走った。


自分でもどうしてこんなにも必死になっているのか分からない。

だけど、きっと一秒でも長くサキと一緒にいたいという気持ちが今の私を動かしているんだ。体育館に着いてシューズに履き替え終わるとダンダンッと懐かしい音が聞こえてきた。