「……もし私がその問いに答えても何も変わんないじゃん」
「そうだね。
今のことは咲都には言わないで……」
「わかった……先に教室に戻ってるね」
サキに言わないことに反論しなかったのはなんとなく琴音の気持ちが分かるからだ。
こんなことを言ったらサキは何をしでかすか分からないし、きっと、琴音はサキに心配をかけたくないんだろう。
でも、琴音は苦しくないのだろうか。苦しみよりもサキのことが好きな気持ちの方が上回っているからできることなのかもしれない。
「おはよー、ナツ」
教室に着くともうサキが来ていて自分の席に座りながら私に手を振った。
「おはよ」
「なあ、今日俺ら8位だった」
「微妙。アイテムは?」
「水色のハンカチだってさ」