それでもキミが好きなんだ



「お前は何も気にしなくていい、琴音のことも。
俺は好きでお前といるんだから」


そう言いながらポンッと私の頭の上に手を置いた。


それはまるで陽だまりのように優しくてこれ以上何も言えなくなってしまった。


「……ありがと。そーさせてもらいます」


バカ。大バカ。

そんなこと軽く言わないでってちゃんと言わなきゃいけないのにそんなに優しくされたら言えないよ。

私の心は単純だからすぐに期待しちゃうんだって。

サキの彼女になんてなれるわけないのに。


「それでよし」


「あー、風が気持ちいい」


桜がひらりひらりと舞い散る中、二人で並木道を歩く。

都会の息苦しい空気じゃなく、ゆったりとした自然溢れる空気になんだか妙に安心してしまう。


ここなら誰にも何も言われない。私は自由になれる。


「ナツ、こっち向いて」


「へ?」


サキに言われるままに彼の方向を向くと大きい手が頭に伸びてきた。思わずぎゅっと目を瞑ると「お前は何年経っても頭に花びらつけるんだな」なんてふわり、と笑った。