『あったりまえじゃん』


ずっと、ずっと一緒にいられると思っていた。

私たちの世界は、誰にも奪われないと思っていた。
何も疑うことなく、本気で、そう思っていたんだ。


だけど、それは所詮、まだまだ子供の中学生の夢見がちな思いに過ぎなかった。


私たちには、どうすることもできなかった。
大人の後ろを黙ってついていくことしか選択肢がなかったんだ。


青く澄み渡る空の下で、私はきみを想った。

雨が降る日も 太陽が照りつける日も
いつだって、きみを想っていた。

辛いとき 涙がこぼれ落ちそうなとき
嬉しいとき 楽しいとき 怒っているときだって。


桜が満開に咲いて、地面がピンクに染まる春

蝉が声を上げ、ひまわりが花を咲かせる夏

もみじがオレンジ色に色づき、
キンモクセイの匂いが香ってくる秋

雪がはらはらと舞い落ち、寒さが増す冬


春夏秋冬をきみと過ごした思い出はこの胸にそっと刻み込んでおくから。


『今日は星見てから帰ろうぜ』


『そうだね』


その日見た降るような満天の星が飾る夜空は今まで見てきた中で一番綺麗でこぼれ落ちそうな涙を必死で堪えた。


私はきみと見た景色やきみがくれた言葉を生涯忘れることはない。



───…バイバイ、サキ。