それでもキミが好きなんだ




「三年間っていえば…俺ら13歳くらいか」


「若いなあ」


「ババアみてぇなこと言うよな」


「うるさいなあ!」


ローファーに履き替えてトントンとつま先を鳴らす。


サキもローファーに履き替えて私のことを少し先で待ってくれている。


それだけなのにこんなにも舞い上がっている私の心はどうしようもなく複雑な気持ちになる。


琴音に悪いな、と思っているのにこんな時間が永遠に続けばいいのに、とも思ってしまっているんだから。


「ほら、買いに行くぞ」


昇降口を出てすぐの左手に自動販売機が一台あり、サキがカバンから財布を取り出して自動販売機の入口にお金を入れる。


ピッ、と欲しかったサイダーのボタンを押すとガタンガタンというと音とともに取り出し口にキンキンに冷えたサイダーが落ちてきた。


サキはそれを手に取ると、少し後ろにいた私に「ほらよ、感謝しろよ」と言って渡してくれた。


私はそれを受け取るとサイダーを胸を飾る赤いリボンの前で無意識にぎゅっと握りしめていた。


声にしてはいけない想いをサイダーにぶつけるように強く、強く。


「ありがとー!」


そう言いながら、ペットボトルのキャップを回すとプシューという爽やかな音がした。


ゴクリ、ゴクリ、と喉に流すと、どうしようもなくあのラムネの味が恋しくなった。


いや、サキとの思い出が恋しくなった、と言った方が正解だろう。