それでもキミが好きなんだ




「まあ、ちょっとだけな。ほんとにちょびっと」


人差し指と親指でどれくらい少しなのか表しながら、眩しいくらいのキラキラした笑顔を浮かべた。


その笑顔にトクン、と小さく鼓動が高鳴ったのを私は必死に隠した。君に「好き」だとたった一言いえたならどれだけいいのだろう。


「ほら、やっぱり嬉しいんじゃん」


ちょうど、職員室に着いてサキが鍵を返しにいって、すぐに出てきたのでまた二人並んで今度は靴箱を目指しながら歩く。


「なんのジュース買ってもらおうかな」


「ここ、ナツの好きなサイダー売ってんぞ」


「え、ほんと!?」


「おう」


私が好きなものも嫌いなものもサキは知り尽くしている。


昔とそれらは変わっていないから、サキはもしかしたら私よりも私のことを知っているかもしれない。


「それにする?」


「うん!」


嬉しくて、嬉しくて、仕方なかった。


サイダーがあったこともそうだけど、サキがまだ私の好きなジュースを覚えていてくれていたことが嬉しかった。