それでもキミが好きなんだ




「……そうだな」


ガタガタ、と椅子を引いた音がやけに大きく教室に響き、ひどく虚しい音に感じてしまう。


虚しい、虚しい、私の恋の音。


カバンを肩にかけて、教室を出て鍵を職員室に返すために職員室へと足を進めた。


「サキ!ジャンケンポン!」


私がいきなりそう言うと隣にいたサキは咄嗟にグーを私はパーを出して勝った。


「なんだよ、いきなり」


「負けたからジュース奢って!」


早く、いつものサキに戻ってよ。


せっかくの二人の時間を気まずい時間として使いたくないの。


「はぁ?いきなりってズルいわ〜」


「昔は勝ってたのにね」


「今回は仕方ねぇから負けてやったんだよ」


なんて、意地を張るサキが可愛くて思わず噴き出してしまった。


「何笑ってんだよ」


「いやー、サキ可愛いなって思って」


「全然嬉しくねぇし」


そっぽを向いて私から視線を逸らすサキ。


「ウソだー、ほんとはちょっと嬉しいでしょ?」


「ぜんぜーん」


「ほんとのこといってみ?ほらほら」


サキの腕をツンツンとつつきながら笑顔を向ける。


楽しいなぁ、としみじみ思う。