それでもキミが好きなんだ



「俺にだって彼女くらいできるっつーの。
ナツに言われなくたってそうするつもりだって」


「サキはバカだからなあ〜〜」


「お前、バカって言ったな?
俺はこの三年間で覚醒したんだよ」


なんて、得意げな笑顔を見せたサキの頭を軽くポンと叩いた。


「なにが覚醒よ。
テストはいつも30点台だったくせに〜」


「ナツだって大して良くなかっただろ。
俺がおまじないかけてやるよ、ほら」


そう言って、私の髪の毛をわしゃわしゃと犬と戯れるように撫でてきた。


「ちょ、バカが移る!」


「はぁ?なんだとこの野郎!」


二人でお互いの髪の毛をぐしゃぐしゃに触りあっていたらサキがバランスを崩して、そのまま私の顔の目の前までその綺麗な顔がやってきた。


「……」


言葉が出なくて、お互い沈黙が続く。


まつげ長いなぁ、とか綺麗な二重だなぁ、とか思うことはいっぱいあったけど、それ以上に胸の鼓動の方がうるさくてそれどころじゃなかった。


サキも全然動かずにジッと私の瞳を見つめてくる。


ああ、本当に好きだなぁ、と不意に思う。


これ以上好きになっちゃいけないのに早く忘れなきゃ傷つくってわかっているのにどうしようもなくサキのことを愛してしまっている。


もう、あとには引けないほどに。


「……ナツ」


サキの男らしい手が私の頬に伸びてくる。