それでもキミが好きなんだ




もうデートに行ってしまったんだろう。

別に私には関係のないことなのにズキズキ胸が痛む。

本当に…嫌だなぁ。こんな自分が。


「……サキと琴音には言わないで」


サキには負けるけど健吾とも一緒にいた時間は長いからきっと分かったんだろう。


サキとは違い、昔から勘が鋭かったし。


「どうして?」


「二人の関係を壊したくない」


教室にはもう私たち二人しかいなくなっていた。

だからなのか、やけに声が響く。


「琴音になんか言われたの?」


「そういうわけじゃないけど……」


「どうせ、『なんで戻ってきたの』とか言われたんでしょ」


「っ、」


図星だったから、言葉に詰まる。

本当にこの先、健吾に隠し事はできそうにない。

どこまでこの男は鋭いの。


「やっぱりね。
まあ、琴音は昔からお前ら二人の関係をよく思ってなかったらからねー」


「…そうなの?」


「だって、夏葵と咲都って自然と仲良くするじゃん。
それが羨ましかったんだろうね。俺でも二人の間には入れないようなときもあったし」


健吾がそんなこと思っていたなんて何も知らなかった。