「どうしたんだよ、琴音」
「…っ、咲都」
「ん?」
「咲都はこの先も私のものだよね…っ?」
「……ああ、そうだよ」
そんなふたりの会話を盗み聞きしていたものの、耐えきれなくなって顔を机に伏せた。
ふたりのことをたくさん傷つけた私が、自分の気持ちを優先してふたりの関係を壊すことなんてできないし、絶対にしちゃいけない。
もういっそのこと、この気持ちには蓋をしてあの広大な海に捨ててしまいたい。
二人は好き同士なんだから。私が邪魔しちゃいけない。
応援しなきゃ…そう、応援するんだよ。
こんな余計な感情はいらないんだ。
自分の気持ちを押し殺すように一度だけ目をぎゅっと瞑ってからむくりと顔を上げた。
サキのことは好きじゃないフリをしよう。
誰にも本当の気持ちは知られないようにするんだ。
自然に忘れられるまで、密かに想い続けることくらい神様も許してくれるはず。



