ふと視線を感じて、そちらをチラリと横目で見ると琴音が私たちを大きな目でギロッと鋭く睨んでいた。
……絶対、怒っている。
そりゃあ、彼女だもんね。
嫌いな女の子と仲良くしていたらなおさらムカつくよね。
だけど、ごめん。琴音。
私……サキのこと手放せそうにない。
この三年間、私の心の支えはサキだった。
「…ねえ、夏葵。ちょっといい?」
次の休み時間に真っ先に私の席へきて気まずそうに視線を下げながら口を開いたのは琴音だった。
「あ、うん」
何を言われるかくらい検討はついている。
それでも行ってしまうのはたぶんもう癖だ。
本当に私は何も学習しないなぁ。
それから私たちは人気の少ない廊下までやってきた。
「……なんで、なんで戻ってきたの!?」
そう言って、琴音は声を荒らげた。
ここに来るまでずっと我慢していたんだろう。
その証拠に今にも泣きそうな顔をしている。



