それでもキミが好きなんだ



だって、サキには琴音がいるから。


二人の間を引き裂けるほど私は図々しくないし、偉くもない。


「まあ、……一人はいるかもしれねぇな」


もの思いにふけながら、そう言ったサキの表情はどこか暗く、見つめているのはゆらゆらと風になびくアイボリー色のカーテンなのにそれよりも遠くを見ているように思えた。


「え?」


思わず、驚きの声を漏らしてしまったのはサキの笑った顔がなんとなく泣いているように見えたから。


いつもは馬鹿みたいに明るいのに。


「こら、二人とも再会したのはよかったが授業はきちんと聞きなさい。罰として明日の放課後は教室の掃除だ!」


授業担当は担任の杉川先生だったからなのかめんどくさいことに明日の教室掃除を命じられてしまった。