それでもキミが好きなんだ



「夏葵…」


私を不安そうに見つめる健吾。


「え?俺、ナツに嫌われるようなことなんかした?」


きょとん、としているサキ。

だけど、その瞳はわずかに揺れていて動揺しているのが私にはわかる。


「サキは私に好かれてればいいんだよ」


なんていう二人の会話を聞きながら二人に気づかれないように苦しくて苦しくて息が詰まりそうな胸をトントンと静かに叩いた。


たぶん、琴音はずっと私が邪魔だったんだろう。


私とサキと健吾が仲が良くて、その中に小学校六年生のときに引っ越してきた琴音も加わったのだ。


その頃から琴音はサキのことが好きだったのかもしれない。


私は自分のことで精一杯だったから気づけなかったけど。


健吾はそのことを知っていたのだろうか。


たぶん私がサキを好きだったことはさっきの言葉からも分かるように知っていたんだと思う。