それでもキミが好きなんだ




正直、なんとなく見たことのある人たちはたくさんいる。


サキの他にも都会に引っ越す前まで仲良くしてた吉野琴音(よしのことね)も同じクラスだった。


そんな私に気づいたのか琴音は大きく目を見開いて私を見ていた。


あと一人。


私のことを驚いた瞳で見ている人がいた。
川岸健吾(かわぎしけんご)だ。


サキと仲が良くて昔からこの四人でいることが多かった。


……懐かしいな。


もう戻れないなんてことはわかっているけど
もう一度だけ、あの日々に戻れたらな…と思ってしまう。


毎日が楽しかった、あの日々に。


「た、辰巳夏葵です…よろしくお願いします」


そう言って、深くお辞儀をする。


すると、教室からわぁっと拍手が起こる。


…とりあえず受け入れてもらえたのかな。


「夏葵じゃん!久しぶり!」

「中学以来だよね」


私のことを覚えていてくれた子たちが再会を喜ぶように笑顔を見せてくれた。


健吾も戸惑いながらも笑ってくれたけど、琴音だけは表情が曇ったままだった。


嫌われても仕方ない。