それでもキミが好きなんだ



「おー!おはよう。
俺は担任の杉川だ。よろしくな」


「こちらこそよろしくお願いします」


ぺこりとお辞儀をする。

先生の第一印象は爽やかで、優しそうだ。
とりあえず、怖そうな人じゃなくてよかった。


「辰巳のクラスは二年A組だ。
HRのときに中に入ってもらうから俺と一緒に行こう」


「あっ……はい」


「大丈夫だ。ここは優しいヤツらばっかりだよ」


不安が顔に出ていたのか、
先生が私を諭すように優しく笑った。


「ありがとうございます……」


それから先生の後ろについて二年A組のクラスに向かう。


サキは、いるのかな?


なんて、そんなことは私には関係ない。


「おはよう~、今日は転入生を紹介する」


先に先生が教室へと入っていく。


教室から聞こえてくる生徒たちの興奮の声に私は心臓を高鳴らせていた。


絶対期待外れだと思われる。


こんな田舎に引っ越してくる人なんてなかなかいないから転入生は珍しいのだ。


「辰巳~入ってこい」


先生が私に手招きをしたので、1歩ずつ足を前に出して教室に入り、クラスメイトの前に立つ。


みんな、私のことを興味津々な目で見ている。


ぐるり、と教室を見渡せば右端に見慣れたサキの姿があり、彼は頬杖をつきながら優しい笑みを浮かべていた。