私にとって、サキと琴音と健吾との出逢いは一生に一度の最高の巡り合わせだと思っている。


「サキ、好きだよ」

「俺も好きだよ」


私がサキの右手をそっと握ると、大きな左手が私の手を包み込んで繋がれる。
サキは優しいから、私の歩幅に合わせて歩いてくれる。

そんな小さな幸せを噛み締めながらゆっくりと歩く。


「なあ、ナツ」

「ん?」

「昔には戻れねえけどさ、未来は無限だから
俺たちらしく、一緒にこれからも過ごしていこう」

「うん!」


たくさん涙を流して、傷ついて、傷つけて、苦しくなっても、それでも嫌いになれなくて、未完成で行き場を失い彷徨っていた私の恋は、今やっと“きみ”という居場所を見つけ、完成した。


そして、たくさんの優しさとぬくもりに包まれながら私は今日もきみに恋をする。


───……私の瞳に映るきみは、いつだって宝石のように眩しく輝いている。それはこれから先も変わらない。




Fin.