ゆっくりと体を離し、綺麗で純粋な瞳と視線が絡み合い、どちらからともなく唇を重ね合わせた。
───甘く、とろけるようなキスだった。
唇が離れた瞬間、猛烈に恥ずかしさが襲ってきてサキのことを直視ができない。
すると、そんな私をみたサキがクスリと笑う。
「ナツ、こっちみて」
意地悪な声が耳に届く。
サキは私が恥ずかしがっていることを分かっていて話しかけてきている。
そうだよね。
サキは余裕ですよね。キスなんて。
私一人だけが置いていかれているような気分だ。
「やだ」
「みて」
「もううるさいなぁ……!
どうせ私のことバカに……」
勢いでサキのほうに視線を向けて私は言葉を失った。だって、サキの顔が耳まで真っ赤だったから。



