「だって……ほんとにそう思ったんだもん」
「なあ、ナツ。
もっかい言うからよく聞いとけ」
サキの真剣な瞳が私を捉える。
何を言われるのかくらいはわかる。
もう拒絶する理由もなくなった。
私は、自由になったんだ。
「好きだ、大好きだ。
だから……俺と付き合ってほしい」
「うんっ……!」
返事をするとともに私はぎゅっとサキに飛びついた。
この瞬間をずっと夢見てきた。
サキの隣を彼女として歩くことを。
サキの彼女として抱きつくことを。
絶対に叶わないと思っていた。
だけど、今私がこうしてサキと一緒にいられるのはたくさんの人たちの優しさと支えがあったからだ。
きっと、私一人ではたどり着けなかった結末だ。



