それでもキミが好きなんだ




お母さんとの電話が終わり、すぅ、と大きく息を吸う。
今まで背負っていたもの全てが消えた気がした。

ガタンゴトン、と私が乗るはずだった電車が走り出した。本当はあの電車に乗ってサキたちとはさよならだったけど、ちゃんとお母さんに本音を伝えられてよかった。


「あー、緊張した」


空気が抜けたように体の力を抜いたサキ。

本当に、サキのおかげとしかいいようがない。
サキがいなかったら私はまた元の生活に戻っていたはずだから。


「いきなり何するのかと思った」

「おばさんならわかってくれるって思ってた」

「よく言うよ。めちゃくちゃ必死だったじゃん」


なんて言ってるけど、嬉しかったよ。
サキが必死で私のことを引き止めてくれて。