それでもキミが好きなんだ




どんなに突き放そうとしても
簡単に私の隣に戻ってきて
私の心を惑わすように笑うんだ。


言葉を返すことが出来ず、私はサキから借りたペンを強く、強く握りしめた。


「あっ、ほら着いたぞ」


そんな私の様子を知ってか知らずかサキは白色が基準として作られたのだろうけど年数が経ち、くすんだ白に変わっているボロい建物を指さして言った。


「ここなんだ」


私が新しい生活をする場所。


三年も経っているんだ…きっと誰も私のことなんて覚えていないだろう。


なんか、緊張してドキドキしてきた。


「職員室まで案内するからついてきて」


どこに何があるのか分からない私は黙ってサキのあとをついていくことしかできなかった。


「んじゃあ、俺はここまで。
教室で待ってるから」


それだけいうと、颯爽と私の前からいなくなった。


……教室で待ってる、ね。


ということは私とサキは同じクラスなのかな?


まあ、ありえなくはないけど。



──コンコンッ

ノックをして、職員室に入る。


すると、一斉にこちらに視線を向けられる。
ドクドクッと不穏に高鳴る胸。


そんなに、見ないで…。


「あ、あの……本日転入してきた辰巳(たつみ)です」


必死に声を振り絞り、そういうと一人の男の人が笑顔を浮かべながら私に近づいてきた。