それでもキミが好きなんだ



『咲都くんの気持ちはわかるし、親として嬉しいけどあなたはまだ学生よ?何ができるの?』

「それは……」

『子供にはなにも出来ないの』


私たちはまだ子供。
親が払ってくれている学費で高校に通って、親が働いたお金でご飯を食べて、何も一人ではできない子供だ。

だけど、あの頃と違って私には意思がある。

“ここに残りたい”

三年前は口にすることが出来なかったけど、今回はちゃんとお母さんと向き合いたい。
逃げてばかりじゃ何も解決しないことが分かったから。


「確かに俺たちは子供で親の手をかりないと生きていけないです。守るっていってもできないかもしれない。でも……」


サキは言葉を詰まらせてしばらく黙り込む。
そして、意を決したように口をゆっくりと開いた。