サキの真剣な言葉にぎゅっと拳に力を込める。
だって、この恋は叶っちゃいけない。
傷つけてしまうだけの恋になる。
そう分かっているのに、きみがほしくてたまらない。
「……私といたらサキのことまた傷つけちゃうかもしれないんだよ?」
「いいよ、傷つけても。
また、ナツのいない毎日を過ごすよりもマシ」
どうしてこんなにもきみは温かいんだろう。
どうしてこんなにもきみは優しいんだろう。
サキはいつも大きな優しさで私のことを包み込んでくれる。
どれだけ突き放したって傷つけたって結局私のことを誰より理解してくれて誰より優先してくれて、海のような広い優しさで愛してくれる。
「傷つけてられてもさ、
そばにナツがいてくれるならそれでいい」
ふわり、と柔らかく微笑むサキ。



