それでもキミが好きなんだ




ねえ、神様。

少しだけ、少しだけ素直になることを許してください。


「……私もサキが好きだよ、大好き……っ」


こんなにも好きになる人がいるなんて幸せなことだと思う。

自分のために猛暑の中急いで来てくれる、そんな愛情に溢れた人に好きになってもらえた私はとても幸せものだ。


「俺、ナツと出逢ったこと後悔してない」

「え?」

「むしろ、出逢えてよかった。
ナツに出逢ってなかったら俺はこんなにも愛おしい感情、知らずに生きてた」


少し切なげに笑うサキ。
母親からの愛情を注いでもらっていないサキだからこその言葉なんだろう。


「……っ」

「俺の隣はナツがいい。
くだらないことで笑いあってたまに喧嘩したりもして、そんな毎日を過ごして同じ景色をずっと見ていたい」