いつまで経っても遊ぼうと誘いにこない俺を心配したナツが必死で街の中を走って俺のことを探してくれて、見つけたときに『……バカ!』と言って安心したのかポロポロと涙を流しながら抱きしめてくれた。


孤独を感じて凍りついていた心を一瞬にして溶かしてくれ、こんなにも自分のことを想ってくれている人がいることにいい意味で心が締め付けられた。


家を飛び出てきて帰りづらい俺に『私も一緒に行ってあげるから』そう言ってくれた。

その言葉がどれだけ俺にとって心強かったか、ナツは知らないだろう。

家に帰ってからすぐに親父にナツが『おじさんはサキのことが嫌いなの?』そう尋ねた。