「俺さ、ずっとナツに守られてきたんだよね」

「……」

「だから、俺も守ってきたつもりだった。
でも実際は全然守れてなくてナツはいなくなった」


小さい頃から何かあるたびにナツは俺を心配してくれて、慰めてくれて、誰よりそばにいてくれた。

だから俺もナツの支えになりたくて何かあったら俺が守ってやろう、と決めていた。

でもナツはずっと一人で苦しんでいた。
結局、俺はナツを救えなかった。守ってやれなかった。

ナツはいつだって、俺を守ってくれたのに。

俺の母親が家を出ていったときだって、ナツはずっと俺のそばにいてくれた。