行きと同じように自転車の荷台に乗って、帰路までの道のりを行く。

お互い、終わりが近いことを分かっているからなのかいつもよりも口数が少ない。


「あー、楽しかった」

「俺も」

「ありがと、サキ。
いつも優しくしてくれて」

「やめろよ。一生会えねえみたいじゃん」


サキは真面目な声でそういうけど、本当にそうなんだよ。
たぶん、向こうに行っちゃったら私はもうサキとは会えなくなる。

どんなに願ったって叶わない。
もう一生会えなくなっちゃうんだよ。


「そうだね」


私はそういうことしかできなかった。

サキへの想いは一生消えない。
だからずっと私の胸の奥に大切に、大切に閉まっておくことにするよ。