どうして私たちは出逢ってしまったんだろう。
どうして恋に落ちてしまったんだろう。
どうしてもっと早く素直になれなかったんだろう。

これ以上にないくらい好きで、大好きなのに
きみが愛しくて愛しくてたまらないのに
寄り添い合うことができないなんて。


「……あー、ナツに泣かされた」

「勝手に泣いたのはそっちじゃん」


しばらくして、お互い落ち着いた。
また海を眺めて何をする訳でもなく、ただ同じ時間を過ごす。それだけで十分幸せだった。

私たちはこうして二人で何気ない時間を過ごすことがどれだけ大切なことなのか、ちゃんとわかっているから。

今まで当たり前だと思っていたことなんて何も当たり前なんかじゃない。いつどうなるかなんてわからない。