「本当だよ。もうサキに会うのはこれで最後」
「……そんなの嫌だ」
「……ほんとにごめんね」
私は謝ることしかできない。
溢れ出そうな気持ちを抑える。
できることなら、今すぐ抱きしめて、サキの頬を流れる涙を拭って、『好きだよ』と伝えたい。
「だって、やっと会えたのに」
「……」
「……私がサキを好きになるのは、神様が許してくれないみたい」
神様はいつも私たちの邪魔ばかりする。
三年前だって、この街を出ていくことがなければ私はサキの隣で幸せそうにして歩いていたかもしれない。
勝手に私とサキが出逢ったのは運命だなんて思っていただけで、本当は出逢わなければよかったんだ。
戻ってきたら人のものになっているなんて思ってもいなかった。



