「……ずっと」
「あのね、サキ」
私は怖くてそれ以上サキの言葉を聞いていられなかった。
このまま離れ離れになってしまうのに、その言葉を聞いてしまったら私は余計に戻りたくなくなってしまう。
また、サキを傷つけてしまう。
言葉を遮った私の方を静かにみたサキ。
絡み合った視線。切なげに不安そうに揺らぐ瞳を見ていると胸を鋭利な刃物で切り裂かれたようにいたむ。
「私ね、夏休みが終わったら向こうに帰るの」
私がそう言うと、サキの表情は一瞬にして動揺と悲しみに満ちた表情へと変わる。
ごめん……ごめんね、サキ。
「嘘だろ?冗談だよな。ハハ。
今日はエイプリルフールじゃねぇぞ??」
ハハハ、とから笑いをしているサキ。



