はい、と渡されたラムネをぐびっと飲む。
口の中でしゅわしゅわと爽快に弾ける炭酸。
懐かしい味になんだか泣きそうになる。
もうこんなふうにラムネを片手にサキと海を眺めることもなくなるんだと思うとどうしようもないほど切なくなる。
ちゃんと、言わないと。
私がいなくなること。今度はちゃんと自分の言葉でさよならを言わないといけない。
「なあ、ナツ」
私が話す前にサキが話しかけてきた。
「ん?」
「俺、ナツがいなくなって正直辛かった。
ナツがいなくなるなんて考えたことなかったし」
「……うん」
「ナツはいつだって俺を守ってくれて優しく包み込んでくれた」
優しく目を細めて、海を眺めているサキの横顔はとても綺麗でかっこよくて思わず見惚れてしまうほどだった。
とくん、と高鳴った鼓動は
きみへの想いが増した愛おしい音。



