それでもキミが好きなんだ




「俺も大人になったからな」

「まだまだ子供じゃん」


口ではそう言っているけど、本当は私が一番サキの変化に気づいてる。

三年前は寝癖がぴょん、と跳ねていた髪型も今はきちんと今風の髪型にワックスでセットされていてるし、三年前はなかった光に反射してきらりと輝くピアス、なにより三年前よりもずいぶん大きくたくましくなった背中。

時間は確実に進んでいる。
どれだけ私が止まれと願っても止まらない。
永遠なんて、絶対にない。

だけど、サキと過ごしていると絶対ないとわかっている永遠でさえ、本当にあるんじゃないか、と思ってしまうんだ。


「俺が子供ならナツは幼稚園児?」

「はあ?私の方が絶対精神年齢上だし」

「いやー、わかんねえぞ。
ナツって案外子供っぽいところあるし」

「うるさい」