「ほんっと、サキといるの飽きない」

「俺も。ナツといると楽しいよ」


なんとも言えない空気の中、私たちのことを包み込むようにぬるく、そしてあたたかい風が吹く。

このまま、時間が止まればいいのに。
止まってしまえ。永遠にきみとの時間が続いてほしい。

もうすぐ、さよならだなんて嫌だよ。


「やだなー、もう。なんか恥ずかしい」

「お前から言い出したんだろ!」

「あ、そうだっけ?」

「とぼけんなよー」


こんなにもきみへの気持ちは膨らんでいくのに。

好き、好きだよ。
思わず、サキのTシャツをぎゅっと掴む。

会えなくなるなんて、考えたくもない。

だけど、私が思っているよりもずっとサキといられる時間は残り少ない。