それでもキミが好きなんだ




そりゃあ、そうだよね。

私のアイコンがサキの知らない男の人とのプリクラなんだもん。


これは私の彼氏だ。
でも、もうすぐ終わりが来ると思う。
私たちは別に愛し合っているわけではない。
もうお互い、思い合うことができないのだ。


これは都会に置いてきた、苦い思い出のひとつ。


一方で私は三年前よりもはるかに大きく、たくましくなった彼の背中をジッともの思いに見つめながら、爪がくい込んで痛くなるほど強く、ぎゅっと拳を握りしめた。


「……ごめんね」


直接言うことが出来ない謝罪の言葉を口にして。





「行ってらっしゃい。気をつけてね」


「変な人には気をつけるんだぞ」


「うん、行ってきます」


笑顔で見送ってくれるおばあちゃんとおじいちゃん。

そんな二人の優しさを
噛み締めながら笑顔を向ける。


今日から高校に通うことになっている。
おろしたての制服に袖を通すと自然と心も前を向く。


ここは田舎だから高校の数は少なくてほとんどが顔見知りだというケースも少なくはない。