その気持ちを利用した俺は誰よりも最低なのかもしれない。望み通りにいかないのもすべて俺の行いの悪さだ。
「……俺が諦めて帰っても親父は
ここに来て夏葵を無理やり連れて帰らせるよ」
「もう離れ離れは嫌なんだよ……。
ナツがいないと意味がねぇんだよ」
もう俺の前からナツがいなくなるなんて嫌なんだよ。
ナツがちゃんと弱音を吐ける場所に俺がなるから。
だから、もうどこにも行くなよ───。
「咲都くん……」
「ナツは……ナツはこれから俺が歩んでいく人生の中で必要不可欠なすげー大事な存在なんだよ」
ナツがいなくなってから俺はどうしたらいいのかわかんなくて、バスケを続けたら会えるって信じてた。
だけど、会えなくて。
それでも、それでも好きの気持ちが薄れることなんてなくて、裏切られたってまたきっといつか会えるってずっと信じて待っていたんだ。



