それでもキミが好きなんだ



ラムネの中に入っていたビー玉を家で取り出して、お互い交換したんだ。

俺はナツが好きだったからそれは俺の提案だった。


「それに追い打ちをかけるように両親は夏葵を苦しめた。俺の父さんは勉強熱心でだから部活もやめさせたんだ。夏葵が一年だけバスケをさせてもらえたのだって親に土下座までして頼み込んだからなんだ」


「よっぽど君に会いたかったんだろうね」と俺に悲しそうに微笑みかけながら言った。


「行きたかった高校にも行かせてもらえず、偏差値の高い高校に入学させられて……それに加えて夏葵は学校でいじめられてたんだ」


ナツの弟の衝撃な言葉に俺は言葉を失った。

ナツがいじめられてた……?


「なんでナツが……」

「嫉妬だよ。ナツは誰ともでも仲良くなれるし、男子からモテてて、女子から反感を買っていじめられてたんだ……」


まさか、あのナツがいじめにあっていたなんて。

そういえば、この街に帰ってきた時も妙に人の顔色を伺っていた。