それでもキミが好きなんだ



「ここにきてよく分かったよ。
夏葵ってあんなふうに笑うんだってね」

「……」

「東京に来たばかりの頃は君に会いたい一心でバスケを頑張ってたんだよ。『サキは強いからね、絶対全国で会える』って毎日のように言ってた」


嘘だ……。

だって、全国大会にナツの姿はどこにもなかったじゃないか。

ナツは本当にバスケが上手かったから全国に上がってこれると信じていたから俺だって頑張れたんだ。

どんなに辛くても、苦しくても君を想えばなんでも頑張れたんだよ。

それくらい俺の中でナツは大きな存在なんだ。


「でも、そこに君はいなかった。
バスケをするのは一年だけだと親と約束しててね、だから夏葵は仕方なくバスケから身を引いたんだ」


もしかして……