「夏葵、友達っていうのはその場を楽しむだけの関係じゃなくて、心配したり、喧嘩したり、そういうのが友達っていうんだよ」
優しく微笑んだ琴音の隣で健吾も「そうだぞ」と言って私の頭をそっと撫でた。
ああ、私にはこんなにも温かくて優しい友達がいる。それだけで強くなれる気がした。
弱い自分が少しだけ成長できた気がするよ。
みんながいてくれるから、大丈夫だって。
「……ありがとう」
「辛かったよね。よく頑張ったよ」
私はこの言葉がほしかったのかもしれない。
毎日必死に生きていたから。それを認めてほしかったのかもしれない。
わんわん、と泣きじゃくる私を二人は嫌な顔一つせず、琴音は私を抱きしめて慰めてくれて、健吾はそばで見守ってくれていた。
二人と、またこうして仲良くなれてよかった。
ありがとう。大好きだよ。