それでもキミが好きなんだ



だけど、そこに愛しいサキの姿はなく、会えないことを実感させられて親との約束通り一年足らずでバスケから手を引いた。

あと一年、私がバスケを頑張っていたらいい形でサキとまた出会えたかもしれないのにね。

つくづく、神様はいじわるだと思った。


「あんたのせいでサキは変わったの……っ
髪色が明るくなってピアスを開けたのだってそう……!
最近まではバスケもせずに不良になってたんだから!」


そんなボロボロになったサキを支えたのは、琴音と健吾だったんだろう。

私がたくさん傷つけてしまったから。
傷つかなくてもよかったサキが私のせいで傷ついてしまった。


「……」

「なんか言いなさいよ…っ」


琴音に服を強く強く掴まれて、そう言われても今の私には何一つ言えることなどなかった。

たぶん、今の私がどんなことを言ったって彼らには言い訳にしか聞こえないだろうから。