それでもキミが好きなんだ




「咲都がこの三年間……どんな思いで
お前のこと待ってたと思ってんだよ……!」


泣きじゃくる琴音の背中をさすりながらしびれを切らしたように健吾が大きな声でそう言った。


「バスケだってそうだ……全国大会に行けばお前に会えるかもしれないって思って必死に頑張ってた。二年の夏に全国大会のレギュラーに選ばれたのに一週間前に婆さん助けて交通事故に遭って全治三ヶ月の怪我して……」


「……嘘」


それしか言葉が出なかった。

だって……そんなの、あんまりだ。
どこまでも神様は私たちを残酷に引き離す。


「嘘じゃないわよ!
もうバスケはできないかもしれないって言われていたのに咲都はリハビリを頑張って三年最後の夏に全国の舞台に立ったの……!でも、でも……っ」


言葉に詰まる琴音を健吾が慰めながら、代わりに健吾がゆっくりと口を開いた。