もうサキとは会えないと分かっていても。
昔みたいに笑い合えないと分かっていても。
「そっか……あ、そうだ。
俺ちょっとこっちで買いたいものがあったんだ。
また、夕方になったら家に行くよ」
「えっ……ちょっと……!」
引き留めようとしたけど昴くんは止まってくれず、そのまま行ってしまった。
はあ、そういうところ本当に自由だよね。
でも昴くんはそこがいいんだよ。
無理やり連れて帰ろうとはしないんだもん。
「夏葵……?」
「え?」
後ろを振り返れば、そこには健吾と琴音が少し戸惑ったような表情で立っていた。
なぜ二人が一緒にいるのかは知らないけど、小学校から仲のいい二人が出かけていても不思議じゃない。



