「送ってくよ」
「いいよ。今日はショッピングモール行くから。
ありがとう、じゃあバイバイ」
自分でも素っ気なかったと思う。
だけど、もう限界だった。涙の波がすぐそこまで迫ってきているから早くここから離れないといけない。
サキの顔すら見ずに私はスタスタ歩き出した。
その瞬間、ポタポタとこぼれ落ちる涙。
誕生日にこんな辛い気持ちになるなんて思ってもなかったよ。
祝ってもらえて嬉しいはずなのに、とても苦しくて切ない気持ちになる。
もう会えないから。大好きな人に会うことすらできない。
そうなったのは自分のせいだけど、私にはそうするしか他に選択肢がなかったんだ。
あーあ、最近泣いてばかりだ。
こっちにきて泣き虫になっちゃったのかも。



