「それはよかったね」
少し嫌味な言い方になってしまったかな?
そんなことを気にしながらサキのほうをみると、ジッとすべりだいを見つめていた。
こんなときに思うのもあれだけど、本当にサキは綺麗な顔をしている。
まつ毛も長いし、鼻筋も通っているし、みるたびにかっこよくなっている気がする。
この綺麗な横顔をスマホのカメラに収めておきたいものだ。
「ナツのおかげだよ」
「そんなことないよ」
「……でもさ」
「うん」
ついに言われてしまうのか。
分かってはいたけど、こんなにも辛いなんて私は一体いつになったらサキへの想いを断ち切れるんだろう。