「どうしたの?」

「……あのさ、話があるんだ」


こんな道端で言われるのかな?
そんなの、あんまりだなあ。


「ちょっと場所移動しない?」

「……おう」


私たちは近くの小さな公園にやってきた。
どちらからともなく、木でてきたベンチに座る。

気まずい空気が漂っているのがわかる。


「話ってなに?」


意を決して話を振ると、サキは黙り込んだまま何も言おうとはしない。

自分から誘っておいて……とは思うけど、きっとサキも私を傷つけてしまうのが分かっているからなかなか言い出せないんだろう。


「……あの、この前はありがとな。
おかげで琴音と上手くいきそう」


少し気まずそうに重い口を開いたサキ。

そんなことか……。
でも、それが本題じゃないのは知っている。

サキのことならわかってしまう自分が嫌になる。