いつだって、ナツは俺のことを一番に考えて行動してくれていた。昔からそうだった。

今回だってそうだ。
ちゃんと俺の背中を押してくれた。
前に進むきっかけをくれた。

だったら、俺も決断しないといけない。

本当はこんな決断なんてしたくないけど、本当は失いたくないけど……俺、ナツのこと諦めるよ。

ナツ、ナツ……夏葵。

本当に好きだった。
きみは俺の全て。
何にも変えられない唯一無二の存在。

突然、姿を消したってこの気持ちは消えなかった。
むしろ、想いは強くなっていくばかりで……いまも本当は心のどこがで、泣いていた君のことを心配している。

ナツは一度でも俺のことを
好きになってくれたことはあったのかな?

小さい頃から強がりで、素直じゃなくて、誰よりも優しくて、笑顔が可愛くて。

俺の瞳に映る君はいつだって
どんな宝石よりも光り輝いている女の子だ。